セラピストの物語 物語のセラピスト

「セラピストの物語 物語のセラピスト」
小森康永、野口裕二、野村直樹

日本聞き書き学校を数日後に控えて、のんびり読書をしている余裕はないはずだ。でも、そういうときほど読んでしまうものでもある。
第7章は吉野淳一の「宮本常一から学んだ「教えてもらう」」が気になった。自死遺族の聞き取りを行った経過と報告である。宮本の教えてもらうという単純明快な姿勢に導かれて、自死遺族に気持ちを教えて貰ったら、残された家族は悲しみ、恥、怒り、そして自責の念に負けず、何かの役に立つならと口述を続けたという。それは、大切な人の死を無駄にしたくないという一念であったと章を締めている。
知識や技術のあるものはそれを持たないものの蒙を啓いて導くべきだという素朴な啓蒙主義を生きていた私が人を支配するような嫌な感じを持ち始め、悩んで、ナラティブアプローチにたどり着いた。実践としての健康増進外来に結実した。
聞く力、教えて貰う力、それをもう一段深める試みが、自分の中では聞き書きだ。
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